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“白いオルフェーヴル”誕生か!? 上がり3F33秒3の怪物牝馬セラピア/丹下日出夫

『POGの王道』でおなじみの丹下日出夫が、ダイジェスト映像とともに週末に行われた全3歳戦のなかから、今後クラシック戦線で有力になるであろう若駒たちをピックアップしてご紹介! 今週は桜花賞、そして来週は皐月賞とクラシックも本番を迎えるなか、近親に活躍馬を持ち、これから飛躍が期待できる遅咲きの素質馬が目白押し。オルフェーヴルを彷彿とさせる牝馬や、20キロ増ながら余裕たっぷりに快勝したディアデラノビア産駒など、秋へ向けての戦いは着実に進んでいます。(※評価はS〜Eの6段階)


■ヒーリングマインド(牡・タニノギムレット×エンシェントアート)

30日(土):阪神9R・アザレア賞(500万)/芝2400m/2分27秒2

 母の姉はエルノヴァ(ステイヤーズS2着)。近親にタワーオブロンドン(京王杯2歳S)、ディーマジェスティ(皐月賞)など、骨格などフレームが大きいのが牝系の特徴。タニノギムレット産駒ながら、ギスギスしたところがなく、ぷっくらと明るい鹿毛に出た。

 他よりはキャリアは豊富、目に見えるように落ちてくる雨粒を気にする素振りもなく、1000m通過1分1秒5-2000m通過2分3秒0という平均ラップを踏み、上がり3Fは12秒5-12秒3-11秒6。ラストラップの通り、我慢と決め手でしのぎ切った。今日と同じような、少し時計の掛かる2200〜2400mの平坦がベスト条件になるが、古馬となり4〜5勝くらいはいける。【評価C/適性・芝2200〜2400m】


■セラピア(牝・オルフェーヴル×ララア)

30日(土):阪神3R・未勝利(牝)/芝1800m/1分49秒9

 母は北米4勝、AW8・5FのハリウッドスターレットSでGI勝ち。一つ上の全姉サラスは現役3勝。高速決着にやや苦戦しているが、何かしら姉も、大仕事をやってのけそうな、妙に気を引く鹿毛牝馬。

 全妹は、母ララアの毛色を受け継いだ、484キロの大ぶりな芦毛。毛色は異なるものの身体のラインは父のオルフェーヴルにソックリ。事前調教でもかなり動いていたが、スタートも決まり、すかさず二番手。やる気満々、手応えはゴツンゴツン。直線を向いてもまだ馬なり、残り2F標識でもまだもったまま。いつ追うのかなと眺めていたら、ムチひとついれずそのままの格好でゴールイン。

 1000m通過は1分4秒0の超スローとはいえ、上がりラップは推定11秒1-10秒9-11秒3(3Fは33秒3)。白いオルフェ、怪物牝馬かも〜。【評価A/適性・芝1800m】


■ダンスディライト(牡・キングカメハメハ×ダンスインザムード)

30日(土):阪神4R・未勝利/芝2000m/2分1秒8

 厚い首、深い胸の造りは、母ダンスインザムードのソレ。アレコレ兄姉はいっぱいいるが、待望のキングカメハメハを父に得て、若馬時代からアタマ一つ馬っぷりは抜けていた。母に似たモンスターか――しかし、新馬デビュー時は、緩い造りを承知の見切り発車。精神的にも幼く、レースをあきらめたりもしたが、前走と同じ体重でも(500キロ)、身体が締まって見え、四肢の着地も強くなっている。

 3〜4コーナーは外。いつもはここで、だらりと脚色が鈍くなるが、鋭角的に直線に向き、レースの上がりを1秒2上回る最速の上がりをマーク。前段にあげたセラピアの1800mは外回り。4Rの内回りコースとはラップ形態はかなり異なるが、走破タイムは2分1秒8。

 ちなみに日曜日のGI大阪杯は、やや重から良馬場にかわり、アルアインの優勝タイムは2分1秒0。良でもかなり特殊な馬場だったのかもしれない。【評価C/適性・芝2200m】


■カウディーリョ(牡・キングカメハメハ×ディアデラノビア)

30日(土):中山9R・山吹賞(500万)/芝2200/2分14秒4

「今回も含め近いうちに10〜20キロ増がかなえば」という前置きを、予想コラムで記したが、おお、ホントーに20キロ増で出てきたのか。頭を上げたり下げたり、相変わらず仕草はうるさいけれど、イレ込んでいるのではなく、遊んでいるだろうな。

 道中石橋騎手が、まずは好きなように自分のリズムで走らせ、わき見をしないよう、油断のないよう、後方からそろそろとピッチを上げ、4コーナーは外めからジワリ。上がり11秒4-11秒3-12秒2(3Fは34秒9)というレースの上がりを34秒1でズバリとひと差し。走破タイムは2分14秒4止まりだが、2200mを走り、中山の急坂で34秒1という脚を使える馬は、そんなにはいない。

 秋あたりはセントライト記念、古馬になればオールカマーと、中山2200mを拠点としてGIIレベル到達。二年くらいしたら宝塚記念や有馬記念で走っているかもしれない。【評価B 適性・芝2200m】


■クロウエア(牝・トーセンホマレボシ×ピンクアリエス)

31日(日):阪神4R・未勝利/芝1600m/1分35秒6

 母系にコレというタイプ不在、兄姉たちは1〜3勝級。デビューは3歳3月末、そして父はトーセンホマレボシ…。

 しかし、いい意味で意外というか。なんでデビューが遅くなったのだろうというくらい、緩みはなく、体も歩きも張っている。

 人気どころが前掛かりで動き、差し有利の流れに恵まれたにせよ、ラスト3F・11秒2-12秒3-12秒0のところを上がり34秒2で悠々の外一気。馬場差は1秒以上、やや重で1分35秒6というタイムは、かなり味わいがある。【評価B 適性・芝1800〜1800m】

(文中敬称略・監修:丹下日出夫)

2019年4月1日(月)

『POGの王道』でおなじみの丹下日出夫が、ダイジェスト映像とともに週末に行われた全3歳戦のなかから、今後クラシック戦線で有力になるであろう若駒たちをピックアップしてご紹介! 今週は桜花賞、そして来週は皐月賞とクラシックも本番を迎えるなか、近親に活躍馬を持ち、これから飛躍が期待できる遅咲きの素質馬が目白押し。オルフェーヴルを彷彿とさせる牝馬や、20キロ増ながら余裕たっぷりに快勝したディアデラノビア産駒など、秋へ向けての戦いは着実に進んでいます。(※評価はS〜Eの6段階)


■ヒーリングマインド(牡・タニノギムレット×エンシェントアート)

30日(土):阪神9R・アザレア賞(500万)/芝2400m/2分27秒2

 母の姉はエルノヴァ(ステイヤーズS2着)。近親にタワーオブロンドン(京王杯2歳S)、ディーマジェスティ(皐月賞)など、骨格などフレームが大きいのが牝系の特徴。タニノギムレット産駒ながら、ギスギスしたところがなく、ぷっくらと明るい鹿毛に出た。

 他よりはキャリアは豊富、目に見えるように落ちてくる雨粒を気にする素振りもなく、1000m通過1分1秒5-2000m通過2分3秒0という平均ラップを踏み、上がり3Fは12秒5-12秒3-11秒6。ラストラップの通り、我慢と決め手でしのぎ切った。今日と同じような、少し時計の掛かる2200〜2400mの平坦がベスト条件になるが、古馬となり4〜5勝くらいはいける。【評価C/適性・芝2200〜2400m】


■セラピア(牝・オルフェーヴル×ララア)

30日(土):阪神3R・未勝利(牝)/芝1800m/1分49秒9

 母は北米4勝、AW8・5FのハリウッドスターレットSでGI勝ち。一つ上の全姉サラスは現役3勝。高速決着にやや苦戦しているが、何かしら姉も、大仕事をやってのけそうな、妙に気を引く鹿毛牝馬。

 全妹は、母ララアの毛色を受け継いだ、484キロの大ぶりな芦毛。毛色は異なるものの身体のラインは父のオルフェーヴルにソックリ。事前調教でもかなり動いていたが、スタートも決まり、すかさず二番手。やる気満々、手応えはゴツンゴツン。直線を向いてもまだ馬なり、残り2F標識でもまだもったまま。いつ追うのかなと眺めていたら、ムチひとついれずそのままの格好でゴールイン。

 1000m通過は1分4秒0の超スローとはいえ、上がりラップは推定11秒1-10秒9-11秒3(3Fは33秒3)。白いオルフェ、怪物牝馬かも〜。【評価A/適性・芝1800m】


■ダンスディライト(牡・キングカメハメハ×ダンスインザムード)

30日(土):阪神4R・未勝利/芝2000m/2分1秒8

 厚い首、深い胸の造りは、母ダンスインザムードのソレ。アレコレ兄姉はいっぱいいるが、待望のキングカメハメハを父に得て、若馬時代からアタマ一つ馬っぷりは抜けていた。母に似たモンスターか――しかし、新馬デビュー時は、緩い造りを承知の見切り発車。精神的にも幼く、レースをあきらめたりもしたが、前走と同じ体重でも(500キロ)、身体が締まって見え、四肢の着地も強くなっている。

 3〜4コーナーは外。いつもはここで、だらりと脚色が鈍くなるが、鋭角的に直線に向き、レースの上がりを1秒2上回る最速の上がりをマーク。前段にあげたセラピアの1800mは外回り。4Rの内回りコースとはラップ形態はかなり異なるが、走破タイムは2分1秒8。

 ちなみに日曜日のGI大阪杯は、やや重から良馬場にかわり、アルアインの優勝タイムは2分1秒0。良でもかなり特殊な馬場だったのかもしれない。【評価C/適性・芝2200m】


■カウディーリョ(牡・キングカメハメハ×ディアデラノビア)

30日(土):中山9R・山吹賞(500万)/芝2200/2分14秒4

「今回も含め近いうちに10〜20キロ増がかなえば」という前置きを、予想コラムで記したが、おお、ホントーに20キロ増で出てきたのか。頭を上げたり下げたり、相変わらず仕草はうるさいけれど、イレ込んでいるのではなく、遊んでいるだろうな。

 道中石橋騎手が、まずは好きなように自分のリズムで走らせ、わき見をしないよう、油断のないよう、後方からそろそろとピッチを上げ、4コーナーは外めからジワリ。上がり11秒4-11秒3-12秒2(3Fは34秒9)というレースの上がりを34秒1でズバリとひと差し。走破タイムは2分14秒4止まりだが、2200mを走り、中山の急坂で34秒1という脚を使える馬は、そんなにはいない。

 秋あたりはセントライト記念、古馬になればオールカマーと、中山2200mを拠点としてGIIレベル到達。二年くらいしたら宝塚記念や有馬記念で走っているかもしれない。【評価B 適性・芝2200m】


■クロウエア(牝・トーセンホマレボシ×ピンクアリエス)

31日(日):阪神4R・未勝利/芝1600m/1分35秒6

 母系にコレというタイプ不在、兄姉たちは1〜3勝級。デビューは3歳3月末、そして父はトーセンホマレボシ…。

 しかし、いい意味で意外というか。なんでデビューが遅くなったのだろうというくらい、緩みはなく、体も歩きも張っている。

 人気どころが前掛かりで動き、差し有利の流れに恵まれたにせよ、ラスト3F・11秒2-12秒3-12秒0のところを上がり34秒2で悠々の外一気。馬場差は1秒以上、やや重で1分35秒6というタイムは、かなり味わいがある。【評価B 適性・芝1800〜1800m】

(文中敬称略・監修:丹下日出夫)

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