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未来の“フェブラリーS馬”を発見!? シハーブに文句なしのS級評価!/丹下日出夫

『POGの王道』でおなじみの丹下日出夫が、ダイジェスト映像とともに週末に行われた全2歳戦のなかから、今後クラシック戦線で有力になるであろう若駒たちをピックアップしてご紹介! 今回、丹下が最もテンションが上げて評価するのは、ゴールドアリュール産駒のシハーブ。2着に7馬身差をつける圧倒的パフォーマンスで、与えた評価は文句なしの…?(※評価はS〜Eの6段階)


■アドマイヤマーズ(牡2・ダイワメジャー×ヴィアメディチ)

10日(土):京都11R・デイリー杯2歳S(GII)/芝1600m/1分35秒4(良)

 長女は仏2勝、二番仔も仏2勝。ともに欧州のグレードレースで入着歴あり。

 日本で最初に走ったフレッチア(父ダンシリ、4番仔)は、現準オープン。本馬の父はダイワメジャー、大流星、栗毛の肌艶が父によく似ている。

 テンションをあげすぎないよう、パドックでは耳袋を装着、ハミも工夫してある。父の若い時がそうだったように、ファイトを前面に出し今日は先手。1000m通過・61秒5のスローに持ち込んだものの、4角あたりから2着馬に被され、けっこうキツいプレッシャーも受けた。しかし、上り3Fは11秒6-10秒8-11秒5。直線半ばまでは食い下がられたが、そこから残り100mは遊ぶ余裕。

 来春は2000mも走れないことはない。ただ、12kg増と増やし、体型により丸みが強調されてきた。マイルなら、逃げても差しても自由自在。次の朝日杯FSは、もしかしたら本馬より人気を集めそうな馬もいる? ――気楽な立場なとき一度、派手な追い込みを試みたりして(笑)。

 4着のダノンジャスティスは、思った以上に距離適性が短いのかなぁ…。ドナウデルタは、道中前の馬に乗っかかってしまい、モレイラは無理や無茶をしなかった。【評価A/適性・芝1600m】


■ヴァルディゼール(牡2・ロードカナロア×ファーゴ)

10日(土):京都5R/2歳新馬/芝1600m/1分36秒4(やや重)

 前半の5Fは61秒3の緩ペース。少し頭が高くなりかけたが、馬込に入れるとフォームが固まる。3コーナーすぎ、包まれないよう意識的に外に持ち出し、直線に入りムチを3発。上りのレースラップは12秒3-11秒6―11秒2。やや重馬場と加速ラップを思えば、走破タイム・1分36秒4も含め、内容としてはマズマズ。ただ、近親にブラックタイプ不在。サイズは444kg。いつも自分の力は出そうとするマジメなタイプとみたが、重賞マイルの1分34秒や1F・11秒を切るような、激しいしのぎあいをどうするか。【評価C/適性・芝1400〜1600m】


■カヌメラビーチ(牡2・ロードカナロア×メジロツボネ)

10日(土):東京6R・2歳新馬/芝1600m/1分36秒7(良)

 半兄のグローリーヴェイズ(父ディープインパクト)は、きさらぎ賞2着。セレクト5400万円。毛色やシルエットは似ているが、父がロードカナロアにかわったぶん、少しだけ背中は短め。実戦でも耳袋を着用、意外に神経質なのか、好発を決め道中は大事に好位の外へ。上り3Fを推定11秒8-11秒2-11秒4(34秒4)で、ジワジワと寄り切り。兄ほどの闊達さやスケール感には一息ながら、ルメールもコメントしていたように、1F距離延長はOK。2〜3戦以内に、もう1勝はいけそう。【評価B/適性・芝1600m】


■ペルクナス(牡2・Majesticperfection×サンダーカップ)

11日(日):京都5R・新馬/芝1800m/1分49秒9(良)

 日本にはまだなじみはないものの、母系は北米ブラックタイプ多数。3番仔の全姉ラブリーマリアは北米GI・ケンタッキー・オークス、アシュランDS勝ち。

 524kgという数字通り、パワーを前面に押し出し、1000m通過・62秒4のスローを、後方で我慢。3〜4コーナーの下りも無理追いはせず、馬のリズムにあわせ直線入り口では大外、ラスト2Fの推定ラップは11秒2-11秒5を計測。重量感のある、2200mや2400mあたりのオープンを手土産にダービーに乗り込んでくるだろう、良質ミドルディスタンスホース。【評価A/適性・芝・ダート2200m】


■サトノラディウス(牡2・ディープインパクト×アーヴェイ)

11日(日):東京5R・2歳新馬/芝2000m/2分8秒3(良)

 シャドーロール、鎖がジャラリ、パドックは国枝厩舎・新馬仕様のお馴染みの装備。目は尖り目、ただイレ込みまではいっていない。母は北米・フラワーボウル招待SH勝ち。気難しい仔や身体の小さい仔もいたが、本年は492kg、ラインや四肢の白がリアルスティールに似た、クビと背中が強い感じのディープだな。

 1000m通過が1分8秒1という、怖ろしい超スローの上り勝負を二番手で構え、上り3Fのレースラップは11秒6-10秒8-11秒1。究極の高速ラップが飛び出したが、直線はいっときフラフラ。うーん。数字的にオープンの仕様も秘めているけれど、一気のペースについていけるか。2勝目は少し苦労するかもしれない。【評価B/適性・芝2000m】


■シハーブ(牡2・ゴールドアリュール×サマーハ)

11日(日):東京6R・2歳新馬/ダート1600m/1分39秒2(やや重)

 母は英仏3勝。初仔モルジアナ(父Dubawi)は6Fダートの短距離馬。二番仔のシャケトラ(父マンハッタンカフェ)は日経賞優勝。三番仔ザクイーン(父ヴィクトワールピサ)、続く現3歳のサラーブ(父ルーラーシップ)は、デビュー二戦目に中山芝2000mを快勝。目下ダート馬に変身中。

 本年の父はゴールドアリュール。しかし、馬っぷりが桁違い。ひょっとして、芝にも可能性があるんじゃないの? 夏の北海道で一度、デビュー寸前までこぎつけ、芝を試す可能性もあった。

 しかし疲労がたまり放牧、秋の東京まで造り直し。ゴールドアリュール産駒がもっとも得意とする東京1600mダートに目標を設定しなおしたが、いつみてもスリスリしたいほど肌は滑らか。534kgでもまだ、腰が細く見えるくらいで、成長の余地も残している。

 道中ガツンとハミを噛む音を聞いたような(ほんとかよ)、首が高くなるシーンはご愛敬。12秒7-12秒2-12秒0(3F36秒9)というレースラップに対し、自身のソレは36秒0。芝なら11秒を上りに匹敵する決め手を堪能。

「おいおい、オドノヒュー。もう追わなくてもいいから」という声がゴール前あがっていたりしたが、気を抜かせないよう、宿題を与えたんでしょうね。

 一年たったら、今頃は武蔵野S。将来のフェブラリーSの主役。【評価S/適性・ダート1600m】

(文中敬称略・監修:丹下日出夫)

2018年11月12日(月)

『POGの王道』でおなじみの丹下日出夫が、ダイジェスト映像とともに週末に行われた全2歳戦のなかから、今後クラシック戦線で有力になるであろう若駒たちをピックアップしてご紹介! 今回、丹下が最もテンションが上げて評価するのは、ゴールドアリュール産駒のシハーブ。2着に7馬身差をつける圧倒的パフォーマンスで、与えた評価は文句なしの…?(※評価はS〜Eの6段階)


■アドマイヤマーズ(牡2・ダイワメジャー×ヴィアメディチ)

10日(土):京都11R・デイリー杯2歳S(GII)/芝1600m/1分35秒4(良)

 長女は仏2勝、二番仔も仏2勝。ともに欧州のグレードレースで入着歴あり。

 日本で最初に走ったフレッチア(父ダンシリ、4番仔)は、現準オープン。本馬の父はダイワメジャー、大流星、栗毛の肌艶が父によく似ている。

 テンションをあげすぎないよう、パドックでは耳袋を装着、ハミも工夫してある。父の若い時がそうだったように、ファイトを前面に出し今日は先手。1000m通過・61秒5のスローに持ち込んだものの、4角あたりから2着馬に被され、けっこうキツいプレッシャーも受けた。しかし、上り3Fは11秒6-10秒8-11秒5。直線半ばまでは食い下がられたが、そこから残り100mは遊ぶ余裕。

 来春は2000mも走れないことはない。ただ、12kg増と増やし、体型により丸みが強調されてきた。マイルなら、逃げても差しても自由自在。次の朝日杯FSは、もしかしたら本馬より人気を集めそうな馬もいる? ――気楽な立場なとき一度、派手な追い込みを試みたりして(笑)。

 4着のダノンジャスティスは、思った以上に距離適性が短いのかなぁ…。ドナウデルタは、道中前の馬に乗っかかってしまい、モレイラは無理や無茶をしなかった。【評価A/適性・芝1600m】


■ヴァルディゼール(牡2・ロードカナロア×ファーゴ)

10日(土):京都5R/2歳新馬/芝1600m/1分36秒4(やや重)

 前半の5Fは61秒3の緩ペース。少し頭が高くなりかけたが、馬込に入れるとフォームが固まる。3コーナーすぎ、包まれないよう意識的に外に持ち出し、直線に入りムチを3発。上りのレースラップは12秒3-11秒6―11秒2。やや重馬場と加速ラップを思えば、走破タイム・1分36秒4も含め、内容としてはマズマズ。ただ、近親にブラックタイプ不在。サイズは444kg。いつも自分の力は出そうとするマジメなタイプとみたが、重賞マイルの1分34秒や1F・11秒を切るような、激しいしのぎあいをどうするか。【評価C/適性・芝1400〜1600m】


■カヌメラビーチ(牡2・ロードカナロア×メジロツボネ)

10日(土):東京6R・2歳新馬/芝1600m/1分36秒7(良)

 半兄のグローリーヴェイズ(父ディープインパクト)は、きさらぎ賞2着。セレクト5400万円。毛色やシルエットは似ているが、父がロードカナロアにかわったぶん、少しだけ背中は短め。実戦でも耳袋を着用、意外に神経質なのか、好発を決め道中は大事に好位の外へ。上り3Fを推定11秒8-11秒2-11秒4(34秒4)で、ジワジワと寄り切り。兄ほどの闊達さやスケール感には一息ながら、ルメールもコメントしていたように、1F距離延長はOK。2〜3戦以内に、もう1勝はいけそう。【評価B/適性・芝1600m】


■ペルクナス(牡2・Majesticperfection×サンダーカップ)

11日(日):京都5R・新馬/芝1800m/1分49秒9(良)

 日本にはまだなじみはないものの、母系は北米ブラックタイプ多数。3番仔の全姉ラブリーマリアは北米GI・ケンタッキー・オークス、アシュランDS勝ち。

 524kgという数字通り、パワーを前面に押し出し、1000m通過・62秒4のスローを、後方で我慢。3〜4コーナーの下りも無理追いはせず、馬のリズムにあわせ直線入り口では大外、ラスト2Fの推定ラップは11秒2-11秒5を計測。重量感のある、2200mや2400mあたりのオープンを手土産にダービーに乗り込んでくるだろう、良質ミドルディスタンスホース。【評価A/適性・芝・ダート2200m】


■サトノラディウス(牡2・ディープインパクト×アーヴェイ)

11日(日):東京5R・2歳新馬/芝2000m/2分8秒3(良)

 シャドーロール、鎖がジャラリ、パドックは国枝厩舎・新馬仕様のお馴染みの装備。目は尖り目、ただイレ込みまではいっていない。母は北米・フラワーボウル招待SH勝ち。気難しい仔や身体の小さい仔もいたが、本年は492kg、ラインや四肢の白がリアルスティールに似た、クビと背中が強い感じのディープだな。

 1000m通過が1分8秒1という、怖ろしい超スローの上り勝負を二番手で構え、上り3Fのレースラップは11秒6-10秒8-11秒1。究極の高速ラップが飛び出したが、直線はいっときフラフラ。うーん。数字的にオープンの仕様も秘めているけれど、一気のペースについていけるか。2勝目は少し苦労するかもしれない。【評価B/適性・芝2000m】


■シハーブ(牡2・ゴールドアリュール×サマーハ)

11日(日):東京6R・2歳新馬/ダート1600m/1分39秒2(やや重)

 母は英仏3勝。初仔モルジアナ(父Dubawi)は6Fダートの短距離馬。二番仔のシャケトラ(父マンハッタンカフェ)は日経賞優勝。三番仔ザクイーン(父ヴィクトワールピサ)、続く現3歳のサラーブ(父ルーラーシップ)は、デビュー二戦目に中山芝2000mを快勝。目下ダート馬に変身中。

 本年の父はゴールドアリュール。しかし、馬っぷりが桁違い。ひょっとして、芝にも可能性があるんじゃないの? 夏の北海道で一度、デビュー寸前までこぎつけ、芝を試す可能性もあった。

 しかし疲労がたまり放牧、秋の東京まで造り直し。ゴールドアリュール産駒がもっとも得意とする東京1600mダートに目標を設定しなおしたが、いつみてもスリスリしたいほど肌は滑らか。534kgでもまだ、腰が細く見えるくらいで、成長の余地も残している。

 道中ガツンとハミを噛む音を聞いたような(ほんとかよ)、首が高くなるシーンはご愛敬。12秒7-12秒2-12秒0(3F36秒9)というレースラップに対し、自身のソレは36秒0。芝なら11秒を上りに匹敵する決め手を堪能。

「おいおい、オドノヒュー。もう追わなくてもいいから」という声がゴール前あがっていたりしたが、気を抜かせないよう、宿題を与えたんでしょうね。

 一年たったら、今頃は武蔵野S。将来のフェブラリーSの主役。【評価S/適性・ダート1600m】

(文中敬称略・監修:丹下日出夫)

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